今日は敬遠していた、存在すら知らなかったオートミールに挑戦した話です。
オートミールのスープ。
タコスライス。春雨サラダ。
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精神科の患者の薬が多すぎると長年、精神科医は批判され続けてきました。
でも最近は良い安定剤が開発され、副作用も少なく、向精神薬の服用量は劇的に少なくなってきています。
それに反してどうでしょう。
内科から転院してくる患者さんの内服薬の多さにはまったく驚くばかりです。
一症状につき、ひとつの薬が処方されています。本当に多いのです。
内科医が全くもって薬に頼っていることは、私が患者になった時によくわかります。
いつだったか、下痢が一ケ月くらい続きました。勤務先の内科医に相談したところ、下痢止めを服用するレベルだと言われました。
でも私は自分の体と相談しました。
下痢は、午前中だけなのです。朝ごはんの何かが悪さしている。体の冷えが関係するかも。
実は健康のため、生野菜をミキサーにかけて飲んでいました。
それが原因かもと思った私は、野菜ジュースを温かい野菜スープに変えたところ、下痢はぴたっとおさまりました。体が冷えていたのだと思います。
数年前、コレステロールが300をはるかに越えて、なかなか下がりません。内科医からは薬を飲むレベルだと言われ、私も観念して服用しました。
半年ほどして下がってきたので、食事療法に変えました。つまり、結局は野菜料理なんですけど。
それ以来数年経ていますが、コレステロール値は正常の上限を維持し、再び薬を飲むことはありません。
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精神科の外来でも患者さんの血液検査は定期的におこないます。
血糖値やコレステロール、中性脂肪、尿酸値などが高い患者さんがしばしばいます。
私は、かならず食事の内容を聞くことにしています。
ある患者さんは高脂血症でした。食べ物を聞いたところ、原因は朝のソーセージでした。
高校生の息子たちの朝ごはんや弁当に手軽なソーセージが多用されており、父親である患者さんも何本も食べていたのです。
やめてもらったところ、正常値になりましたが、また再び上昇してきました。
もう、ソーセージは食べていないと言います。聞きだしたところ「何にでもマヨネーズをかける」が原因だったようです。
食事を見直した結果、今では血液検査も体調もとても良いのです。
また私の患者さんが重い糖尿病になって内科に紹介しても、あまり食事内容や食べ方を指導されているふしがありません。
私は精神科医ですが、心だけを診ているのではなく、食べ物を含む生活全般をみます。
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そんな私ですから、自分の食べるものに対しても研究に余念がありません。
実はそれほどの便秘症だと思っていなかったのですが、最近乳酸菌をとる習慣ができました。
職員さんたちが合同で買っているので、私もそれに混じったんです。
でも便が特別良くなることはありませんでした。職員さんに聞いても「少し良くなった人」「変わらない人」「なんとなく飲んでいる人」いろいろでした。
でも、みなさんご自分の体になど何の関心もないんですね、驚くばかりです。
もっと自分の体に関心持って見てやれよ!って言いたくなります。
私は自分の食生活を見て「食物繊維が足りないのではないか」と仮説を立てました。
いくら乳酸菌を摂っても、便を作ったり、便になったりする食物繊維がなければ、便は出てこないのです。
食物繊維はごぼうやわかめや大豆など、いろんなものを毎日せっせと食べないと一日の必要量である18グラム(男性は21グラム)には達しません。
そこで、オートミールに着目しました。
実はまず、グラノーラを朝食にとりいれました。でもグラノーラってかすかな甘味としゃきしゃき感がとてもおいしいので、しあわせホルモン出まくりになるんです。止まらなくなるんです。
まじで捨てようかと思いました(友人がやはり止まらなくなって捨てたそうです)
そこでミューズリーに変えました。熱や甘味が加えていないので、より健康的です。
小鳥の餌と同じ。小鳥になった気分です(笑)
もっと健康的なのはオートミールですが、スーパーで見ても、どうしても買う気持ちになれませんでした。
しかしそこは好奇心旺盛な私です。
トライすることにしました。
お粥のようにしてふりかけをかけたり、豆乳を入れて洋風に食べています。なかなかおいしいです。
甘くなく、じわーっと幸せ感に満たされるため、不思議と食べだしたら止まらない、ということがありません(そこまで美味しくないってことですが、それがまた素朴でいいのです)
一回50グラムを一日二回摂るだけで、9.4グラムの食物繊維がとれます。と不溶性食水溶性食物繊維物繊維がバランスよく入っています。白米よりはるかによく、玄米よりもまだ栄養素に満ちています。
さらにβ―グルカンという不溶性食物繊維も入っていて、水分を吸収して余分なものをからめとり、便として外に排出してくれます。
私の場合も、見事なバナナ便を排出することに成功しました。
自分の体を使っての食べ物の探索は今後も続けると思います。
自分で実験しては、患者さんの体に応用していくと思います。
手が出し辛いオートミールですが、挑戦してみませんか?
ご飯替わりにしたり、お菓子やピザを作ったりもできるようです。