栄養と睡眠05 脳に栄養がいかなくなると起きること。

オカリナの発表会に出ました。無観客でした。

昨年再開したオカリナは、細々と続けています。

医者は患者さんが主人公の地味な仕事です。

自分を律することばかり多いので、個性をのびのび表現できるこんな時間はとても好きです。

今日はピラティスの先生による体のメンテ。忙しいですね。

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栄養状態が脳の働きに影響するのではないかという疑問を私は若いころからの臨床経験で

感じていました。

何人かの記憶に残っている患者さまを挙げてみたいと思います。

ひとり目は、中年の女性です。若いころにひどいつわりに見舞われ、その間ほとんど食べ物が喉を通らなかったと聞いています。それが原因で認知症を患って子育てができなくなり、長い入院生活を送っていました。私が受け持ったころは、出産された女の子がもう10歳くらいになっていましたが、母子の関係は築けませんでした。たかがつわりとバカに出来ない。栄養状態がこれほどまでも脳に影響を及ぼすのだということを知る最初のきっかけとなりました。

つぎに思い出す男性は、20歳前半の方です。発達遅滞があって、家でご両親が看ておられた。勉学はともかく日常の暮らしにそれほど困難はない状態でした。彼がある時、家出され行方不明になられました。一週間ほどして幸運にも見つかった時には、飲まず食わずの状態で一週間が経過していました。命に別状はなかったのですが、一週間の飢餓で両親の顔もわからず、食べることや会話することさえすべて忘れてしまうほど、脳が侵されてしまいました。

ご両親や私の受けた衝撃は大きかったです。

三人目は、60歳手前の女性です。長年夫婦二人暮らしで、夫婦共料理はしたことがないということです。買ったものや近くに住む妹夫婦の家で食べていると聞いていました。私の病院を受診された時は認知症となり、「食べる」という行為も忘れ、食物とそうでないものの区別もつかないくらい重度でした。もちろん夫のこともわからず、会話は全くできません。

長年、食べることに対する手抜きによる栄養不足が関係したのではないかと私は考えています。

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若いころから、そういうケースに出会って衝撃を受けていたので、最近のように栄養の大切さが言われるようになるはるか以前から、栄養状態が悪いと真っ先に脳に影響することを知っていました。けれど、栄養や食べ方については、つぎつぎと諸説が出て、何を食べたら健康になるかについては、わかりませんでしたが、自分では毎日の料理に本当に試行錯誤の日々でした。

(テレビでバナナがいい、というのでスーパーに走るほどのバカではありませんでしたが)

(テレビで〇〇がいいと言うと、スーパーの〇〇は売り切れになりますよね)

15年ほど前に、米国で外科医をされている新谷弘実氏が「病気にならない生き方」という本を出版され、栄養や食べ方の本はかたっぱしから買っていたので、それも読みました。その時はじめて「普段使用の油が悪い」「小麦と牛乳とヨーグルトはやめること」「糖分は良くない」などと書いてあり、これまたすごく心に残りました。外科医として、何千人の大腸を見てきて、そういうものを普段食べている人の腸が汚い、傷んでいる、荒れている、というのですから、信じないわけにいかないけれど、その理由は何?と考え続けていました。

その直後、三石巌先生の分子栄養学の本を読み、ふだんの食事にサプリを補う、という考え方を知りました。

いろいろと栄養学について関心は持っていましたが、私の専門は重い精神病の方ですので、栄養の勉強は、主婦として「今夜の料理は何にする?」というレベルの域を出ません。

今、一般人でもそれらをまとめて系統的に学べることはしあわせだと思っています。

学問を身につけることは出来ませんでしたが、せめて栄養や睡眠を普及する側にまわれたらいいなと思っています。